冬天的楽趣(四)
「冬天的楽趣」シリーズ7年ぶりの連載で、今回の連載は「リメイク編」全10作を一挙公開です。
お休みしていた7年間は母が病気してからの7年でした。その間、余り毛糸もしくは再リメイクばかりしておりました。
「冬天的楽趣」シリーズ7年ぶりの連載は第40回が最終回です。
今回の「リメイク編」もご愛読くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
では、またのシリーズでお会いしましょう!
* * * 第31回 * * *
「ヒヨコの変心」
ひよこセーターを夫に着せてあげる夢も叶わず、
ひよこセーターは箪笥の奥深いところで眠り続けました、とさ・・・
って、怖〜いグリム童話じゃあるまいし!
このまま眠らせておくわけにいかない、そう思って早々リメイクにとりかかりました。
・・・とは言っても、この真っ黄っ黄の色をどうしたら編みこなせるか、デザインが肝心でして。
一歩間違えれば、とんでもないことになりそう・・・
あれこれ考えていたある日、あるテレビ番組に市毛良枝さんがゲスト出演なさっており、
その時ちょうどひよこ色のジャケットをお召しになってられました。
袖口がちょっと広めで、なんともエレガントです。
「これ、いいわあ♪」
少し似せて、見よう見まねですが編んでみました。
ラグラン袖にしてハンパな糸もださず、むしろ足りないくらいで、
縁取りは淡い黄色を買い足して編みました。
我ながら「うまくいった♪」と思う出来栄えです。なんといっても使い切ったことが満足!
ボタンは100円ショップで購入したカエル君と象さんの刺繍入りを交互につけてます。
4月になって、桜前線が北上している季節ですが、まだまだ風は冷たく、花冷えする毎日です。
ひよこセーター改め、ひよこカーディガンは春先のジャケットとして活躍中です。
ひよこセーターを夫に着せることは完全に諦めました(悲)
この先、こんな私と伴侶になってくれる人ができたとしたら、その時はその時。
まだまだ豊富なストック毛糸の中から、編めばよいこと。
てかさあ、こないだ押入の中を整頓して、ストックを見たらば、様々な太さ、種類も豊富に
赤い糸が大量にあることに気づいたのよねー。
なんで赤ばっかり買ってしまったかなあ・・・??
話しは変わりますが、私の編み物好きは父方の遺伝らしく、父の姉、私の叔母が編み物をする人で。
私の知る限り編み物する親戚はこの叔母だけなのですが。
その叔母は現在ほぼ一人暮らし。
車も運転しないので、時折訪ねてくる娘だけが頼り。
私も忙しさにかまけて訪れていなかったので、仕事が一段落して久々に訪ねてみた。
叔母はひとり火の気のないこたつにあたっていた。
いろんなこと話して、話の流れで「今も編み物してます?」と聞いてみた。
「編んでるんだけど、元が機械編みだったらしくて、ほどいたら短くちぎれてしまって・・・」
うんうん、分かる分かる・・・
私も似たような経験があるのだ。ほどいてまで編みたい。
それは機械編みの物でもほどきたくなるものなのだ。
「編んでるんだけど、糸が足りなくなってしまって」
「どのくらい?」
片方の袖まではできている。もう片方の上部あと5cmくらいのところで作業が未完で終わっていた。
工事現場なら、あと少しのところでほったらかし状態だ。
「う〜ん・・・あと2カセ、ってとこかしらね」
似たような糸があればだけど、う〜ん・・・どうにか完成させてあげたい。
そう思って私は家に帰って、ストックを探してみたけど、こんなに大量にあるストックの中にも、
似たような糸が見つからない。仕方ないので、太さだけは合う糸を持って再度出かけた。
ついでに豆腐とか、納豆とかイチゴとか・・・ふだん食べそうな食料品を買って行ってあげようと思って
近くのスーパーに立ち寄った。寄ったついでに手芸売り場を覗いてみた。
「おおっ」
色はだいぶ濃いけど、糸の太さ種類がそっくりなのを見つけた。
叔母は淡いブルーだったけど、これは濃いブルーだ。
振り合わせれば、同じブルーだからいいじゃん?
しかも5カセも入って春先で編み物の季節も終わり、ということで半額だし。
何度か下げに下げたらしく、5カセでなんと150円!買って行ってあげることにした。
たった一人の手編み仲間のためだもんね。もちろん叔母は喜んでくれた。
編み物好きの交流は、これまた楽しい♪
(2013年4月記)
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* * * 第32回 * * *
「余り毛糸でアニマルpart3」
編み物好きの習性。・・・たぶん、叔母も同じ性分だと私は思っているのだが。
その1、既製品をほどいてでも編む。
その2、あまり毛糸を残らず使い切りたい。
その3、そのためなら、何度でもほどいて編む。
私などは、わざわざbook offから200円くらいの安い手編み風セーターを買ってきて
それをほどいて別のセーターに編み直してるくらいです。
だって、毛糸を買うより既製品の方が、ずっとずっと安上がりなんだもの。
それから、あまり毛糸を使い切るために、編みこみでゴマちゃんだったり、ペンギンだったりの
アニマル柄をこれまで編んで来ました。今回はワンコです。もちろん前後にワンコです。
今回は、なんと言っても中途半端に残ってるプルーと茶の毛糸を消費するのが目標です!
茶色の糸は第13回のキッツキツのベストをほどいたものです。
ブルーだけじゃ、帽子くらいにしかならないし、茶だけだとせいぜいベストくらいにしかならない。
これくらいの量が、難しいんだよねー。
手編み物の本を眺めて、2色使いでちょうどいい柄はないものか・・・
ペラペラッ、とめくってみて、閃いた!
これならなんとかなるか・・・というのが、このワンコ柄でした。
もちろん、色合も本とはだいぶ違いますが、ヒントを得て、編みこんでみました。
ちょうど使いきり、出来栄えもまあまあ。
とにかく使い切りたい、が為のワンコ柄です。それにカワイイでしょ?
カワイイ・・・?
このカワイイ柄が着れるのはあと、何年あるだろう・・・
似合わなくなったら、またほどいて編むことになっちゃうのだろうか?
まさか60歳過ぎて、ワンコ柄はないだろ・・・?
そんなこと言ってたら、ペンギンだって、ゴマちゃんだって、
還暦過ぎたらカワイ過ぎて着れなくなっちゃう、ってか・・・?
こうなったら、70歳になろうが80歳になろうが、
ゴマちゃんセーターも、ペンギンセーターも、
カワイイわんこセーターも着てやろうじゃないの!
や、や、やや・・・先のことは考えまい。
とにかく余り毛糸を消費せねば!
(2013年4月記)
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* * * 第33回 * * *
「みどり極太の波瀾万丈」
この緑の糸に見覚えはありませんか?
第9回のみどりのモヘア20カセの、あの糸です。
彼氏と自分のペアルックで編もうと、若気の至りで20カセも買い込んだ、あの悲しいモヘアです。
彼氏に編む機会もないまま、眠り続け、
「こうなったら、自分の2着編んでやるうっ!」
って息巻いていたのに、なぜにベスト一着になっちゃったの?
元々20カセもあったのに、なぜにベスト一着?
何度もほどいて編むうちに、いつのまにか切れて無くなっちゃったんだっけ?
ま、縄編みなどの模様編みなので、たくさん糸を使うちゃあ、使うんだけど・・・
いつのまにか、これだけになっちゃったみたいで。
このベストは母のために編みました。
少し残った糸で、手提げカバンを編みました。もちろん、余り毛糸を使ってのバックです。
今回のシリーズは7年ぶりの更新ですが、この7年間、母が病気して入院してからの7年間なので、
私は新しい糸を使って編んではいません。
なので、このシリーズは、余り毛糸を使って編んだ、か、もしくは編み直ししたか・・・
そういったリメイクものばかりです。
母は、このベストを着て、おそろいのバック持ってデイサービスに行ってました。
ところが、ちょっとブカブカだし、極太でかさばるので、動きづらい、ということで、
時期が終わった頃に、自分用に再リメイクしました。
それが、こちらです。
やはりベストなのですが、前回とはデザインも模様も違います。
アランの縄模様で、真ん中に同じみどりのボタンを付けました。
編み上げてから、まだ一度も袖を通してませんが、思えばこのみどりのモヘアは
これまで何度となく変身を余儀なくされてきました。
変身するたび糸が減って、ついに、このベストに落ち着きました。
これが最終形でしょうか?これで落ち着いたのでしょうか?
ん〜・・・
それは誰にも分からんことです。
えっと・・・何度変身してきただろう?
3回?・・・それとも4回?
この糸は波瀾万丈な運命にあるようです。
・・・てか、それは私に見出され、買われてしまった、が為ですか!?
波瀾万丈が毛糸にまで及ぶとは・・・
「彼氏とオソロ〜♪」とか「夫に着せてあげるのヨン♪」とか、
居もしない相手を妄想して、これ以上毛糸を眠らせるのは、
もう、ヤメ、ヤメッ!!
つーか、そのことに気づくの遅すぎるからっ!!
(2013年4月記)
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* * * 第34回 * * *
「母のあじさいカーディガン」
新しい毛糸に触ってない、はウソでした。
この淡い紫の毛糸は唯一新品でした。
母は週に一度デイサービスに通ってます。そこで軽いリハビリしたり、お風呂に入るのです。
加えて、少しでも気晴らしにでもなればいいな、という感じで・・・
母は衣装持ちではありますが、春に羽織れるカーディガンを編んであげようと思い立ちました。
私のストックは、「彼氏とオソロ〜♪」とか「夫に着せてあげるのヨン♪」とか、
ふざけた動機で購入した物ばかりなので、
母に似合いそうな色合を買いに行ったのです。春用ということで、太さも中細くらいを目指して。
かなり複雑な模様編みに挑戦です。
基本、アラン模様なのですが、棒からカギ棒に持ち替えてボンボリにしたりする模様が
たくさん入っているし、それが透かし模様と混合なので、一旦段を編み間違えちゃうと、ほどくのが大変で・・・
そして、何段目か見失ってしまう・・・の繰り返し。
ようやく完成して、デイサービスに着て行ってもらいました。
色合と、デザインがマッチしてるんじゃないか、と我ながら悦に入ってます。
ただ、襟元が甘い、というか。すぐペロ〜ン、となってしまう。
でも、中に衿のあるブラウスを着てしまえば大丈夫・・・
母の通うデイサービスがある隣り町には、お花が見学できる小高い山があります。
そこで、年に数回、お花の季節に送迎されながら車中見学します。
これからだと、牡丹、芍薬。その後、あじさい・・・
そう、あじさいの頃までは着て行けるカーディガンです。
その余り毛糸でバックを作りました。これはすべて余り毛糸使用です。
淡い紫はカーディガンの残り。もちろん母のバックです。
裏も付けて、バックといってもそこそこ時間がかかるものです。
それにただのモチーフ編みじゃないのよ。
こう見えて、淡い紫の花が立体的に浮き出てるんですよー。
なかなかなもんでしょうーが!・・・と言っても、ちゃんと編み図があったんですけどね。
完成した頃(3年ほど前)は、ハンカチやティッシュ、メガネなど入れて持って行ってたのですが、
最近では手ぶらで出かけるようになりました。
年々、何事につけ衰えが進んでいる母です。
このバックも主(あるじ)からお呼びがかからず、今や洗濯物の下敷きになったまま眠っています・・・
(2013年4月記)
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* * * 第35回 * * *
「夏でもニットバック」
今年の冬は、母にも帽子とマフラーを編んであげました。
今回は私の手提げバックと帽子です。
手提げバックは買い物用で、リサイクルバックを入れたりするのに丁度いいくらいの大きさに編んでみました。
財布はこの手提げに年中入れっぱなしです。
白いお花は刺繍ではなくて編み込みです。
底にもお花、持ち手にもお花・・・
ブルーの毛糸は、ゴマちゃんセーターで余ってた毛糸です。
せいぜい春先まで持ち歩ければいいかな、って思って編みました。
が、超不精者の私。
真夏もそのまま持ち歩いてました(爆)
真夏に見知らぬ人から買い物中に「編んだんですか?」って話しかけられて、
真夏にニットバック持ってることが恥ずかしくて
「・・・ええ、でも夏なのに毛糸だなんて恥ずかしい・・・」って答えたら、
「うっ・・・あややや・・・そんなことないですよ〜。・・・色合が涼しげですから!」と慌ててフォローしてくれた。
焦ってるのバレばれですからー。(笑)
私も色合がブルーだから、ま、いいっか・・・
なんて結局、ごまかしながら昨年から1年以上、持ち歩いてます。もちろん現在もです・・・
でも、風合いや持ってる本人も毛糸のぬくもりが・・・だから真夏のニットはさすがに恥ずかしい。
それに、手提げバックなんてたくさん持ってるのにな・・・
帽子も余り毛糸で編みました。
私は年がら年中、同じ髪型です。
髪型といっても、後ろに束ねているだけですので、長くなったらまっすぐ切るだけ。
でも、結わえたところが邪魔して、どうしても帽子がかぶりにくい。
既製のニット帽もありますが、なんか窮屈なのよね。
少し緩めのほうが、かぶりやすいので頭に合わせて編んでみました。
ちょっとお買い物でも、耳が出てると寒いんだもん。
やっぱ、帽子があると暖かいです・・・
少々雪が降ってても、帽子があればなんとかなるしね。
正月、初売りに並ぶ時は重宝しまっせ!・・・てか必需品!
それにしても代わり映えのない私・・・
そーいえば、これまでイメチェン、ってしたことない・・・
春だし。
ここらで、手提げバックからでもイメチェンしてみっか!
(2013年4月記)
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* * * 第36回 * * *
「もとの木阿弥」
「元の木阿弥」
意味:もとの状態に戻ること
この糸は第30回でプロヴァンス風に編んだ、あの糸です。
もともとは既製品だったセーターをほどいて編み直しました。
なにも、ほどいてまで編まなくても・・・
あの当時は、丈の短さが古くさかったんです。
だからプロヴァンス風なセーターに作り直したのですが、
なんだか、糸の持ってる雰囲気と、衿のあるデザインがマッチしてないような気がしてきたのです・・・
それに中途半端に別の色が入ってたでしょう?
ま、そこがあのセーターのデザインのポイントっちゃあポイントなんだけどね。
アクセントなんだ、ってことも分かった上で、「いいな・・・」と思って編み始めたんだけどさ。
やっぱ、緑の色合が暗いのに、プロヴァンス・・・てね。
合わなかったのよ・・・
で、結局ほどきました!
ほどいたはいいけど、じゃあ、どうしましょうか?
てことで、なーんか、元の木阿弥になっちゃったんですけどぉ。
模様編みがちょっと変化させて、丈を長くはしましたけど、既製品の頃に戻っちゃった。
だったら、ほどくことなかったジャンよ!・・・って、ことです。
こういうのを、こっちの方言で「暇ダレだっちゃなー!」と言います・・・
「暇ダレ」
意味:時間の無駄
(2013年4月記)
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* * * 第37回 * * *
「漁師はワイルドに」
このところ、複雑な模様を編むのが好きになりました。
母のあじさいカーディガンも、かなり複雑なアラン模様で、しかも糸が細いので苦労しましたが
模様が積み重なってくるのを見てるのは、とっても楽しいものです。
また、ワンコセーターのような編みこみも、たくさんの色の糸を同時に使って、
絡まないように編み上げていく楽しさも、また格別です。
「もっともっと複雑な模様を編んでみたい♪」そう思うようになりました。
今回はノルディック模様です。
ノルディックと言うのは、「北欧の」という意味で、具体的にはスカンディナヴィア半島の
デンマーク、ノルウェー、スウェーデンの三ヶ国を指します。
北ゲルマン語を話す北ゲルマン系民族で、北ゲルマン語は北欧語・ノルディック語・ノルド語とも呼ばれています。
非常に似ているデンマーク語・スウェーデン語・ノルウェー語・アイスランド語、およびフェロー語等の総称でもあります。
また逆に、北ゲルマン語は北欧諸国以外ではほとんど話されることがなく、
北ゲルマン系民族は北欧諸国以外にはほとんど居住しません。
民族、言語、地域、どれをとっても限定されており、独特な風土が生んだ、これまた独特の模様が
ノルディック模様、と言うわけです・・・
ノルディック地方は第一に寒いっ!
そして入りくんだ海岸線は豊富な漁場であり、漁業が盛んである。
日本でいう、三陸のリアス式海岸ですよね。
てことは・・・
寒い上に海に出て漁をする・・・
こりゃ、ムチャムチャ寒いに決まってるがな!
でもって、このノルディック模様です。
糸を渡して二重に編み込むわけだから、そりゃ暖かい。
ノルディックといえば、「編み込み」なのだ。
そして、モチーフであるが、これもまた独特な模様なのです。
一番有名なのが、雪の結晶ですね。セーターの2段目、雪のような星のような模様・・・
他に鹿やトナカイなど、北欧ならではの模様もあります。
とにかく、北欧は寒いので、色々な模様を編み込んでセーターを厚くした、ということです。
だから、透かし模様なんてあるわけないし、アラン模様のようなボンボリもないのです。
装飾性を省いて、かなり実用的ですね。
ひたすら、細かく糸を渡して模様を編み込んで、セーターを厚くする。これがノルディックです。
スカンディナヴィアと聞くと、世界の海を荒らしたバイキング名高いですが、
バイキングの時代、ノルディック模様があったかどうかは定かでありません。
もしかしたら、皮の上着の下には、ノルディック模様のセーターを着込んでいたかもしれません・・・
アラン模様も、ヨーロッパアイルランド地方で、やはり漁師が着るためのセーターですが、
アラン島という島限定の模様なので、やはりノルディックとはまったく違った模様ですし、
大きな違いはアラン模様が単色使いだということ。
ノルディック模様の場合、2色から3色は使います。
シェットランド模様ともなれば5色以上使って編み上げます・・・
ヨーロッパだと他にブリティッシュスタイルがありますけど、こちらはアーガイル模様ですので、
地方によって三者三様の発展をみせています・・・
それぞれ伝統の模様には意味がありますし、なかなか奥深いです。
写真のセーター、なかなか本格的なノルディックでしょ?
重いっすよ!しかもタートルネックだし!
これ着て真冬のスカンジナビアでワイルドに漁ができそうなくらい暖かいです。
え?
この糸は何かって?
再利用なのか、って?
もちろんですよ!
リサイクル店で200円で買った中古セーターをほどいて、余ってた白い糸を使って模様編みしました。
総工費・・・300円、てとこでしょうか?
こんな本格的なノルディックが300円でできちゃうんだぜー?
どうだぁ?
ワイルドだろぉ?
(2013年4月記)
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* * * 第38回 * * *
「tuzi的編み物の起源」
第17回だんごになった糸の再リメイクです。
黒くて地味な色の糸をどう使おうか・・・
今回は総模様、七分丈に編んでみました。
穴あき模様ですが、単純な繰り返しなので、見た目より難しくありません。
母が着てもよいし、飽きたら私が着てもいいし・・・そんなイメージで編んでみました。
裾から模様編みを始めただけで、うまいことクリッ♪クリッ♪と丸みが出来上がります。
誰が考え出した模様編みでしょうね?
不思議です。
世界にはたくさんの伝統ニットが存在しますが、常々不思議に思っていました。
いったい誰が最初に編み物を考えたんだろ?
そもそも誰が最初に羊の毛で糸を作ったんだろ?
てか、何であの羊の毛を糸にしようと思いついたんだろ?
羊ちゃんにスリスリ♪してたら暖かかった、からだとは思うけど、そこから糸にしちゃうなんて・・・
もっと不思議なのは、その長〜い糸を、単純な棒っ切れ2本で形にしちゃうなんて
天才の何者でもないと思いません?
てか、なんで棒っ切れなんだ?
そのへんに転がってたから、ってこと?
いつ、誰が最初に編み物を始めたものか・・・
羊飼いが、その辺に落っこちてた棒っ切れを拾って始めた、とか??
伝統ニットを追いかけていくと、ヨーロッパ各地にその土地独特の模様が伝わっている。
どうやら特に寒い地方、北欧が起源なのかも知れない。
ゲルマン民族の誰か、ってことなのかも。
しかも羊を放牧していた地方の誰か・・・
ヨーロッパ以外にも、例えばアメリカにも、南米にも編み物はあるけど、
それはヨーロッパ人が渡ってからではないかと思う。
カウチン、なんてのは極太の糸で、雨も通さない頑丈なアメリカ生まれのセーターですが、
アメリカ大陸にヨーロッパからの移民が移り住んでからのことと思う。
カウチン模様はヨーロッパ人が伝統ニットを応用して、アメリカの地に合った編み方をした新しいスタイルなんだろうと・・・
だって、ネイティヴアメリカンに編み物は無いものね?
ヨーロッパに話しを戻しますと・・・
2本の棒を4本にすることで輪っかにしちゃう発想もスゴイよねー。
さらに複雑な模様を棒っ切れ2本で何もないとこから作りあげてしまうなんて、もう考えらんない。
編んでるうちに、編み棒の入れるところ間違えたら、
たまたま面白い模様みたいになっちゃった、的な?もしかしたら偶然の産物だったりするのかも。
2本取りして暖かくしたはいいけど、編み込み模様はそれじゃ違う色で絵を描いちゃえ!みたいな?
もしくは、糸が足りなくなっちゃったから、2色で編み込んじゃえ!的な?
アランのボンボリだって不思議じゃない?
棒の先をカギ状にして引掛ける、っていう発想がなきゃできない。
かぎ編みと棒編みを駆使するなんざあ・・・
そもそも、かぎ編みはレース編みに使ってたのだろうから、レース編みをしていた地方が発祥てことよね・・・?
・・・はっ!!
もしや・・・
漁師か!?
ほら、漁師さんてさ、網を編まなきゃなんないじゃん!!
・・・てことは、編み物は男の人が始めた?
・・・かも!
棒編みは羊飼い・・・
かぎ編みは漁師・・・
そういえば、南米では編み物は男の人の仕事だもん。
それに、スカンディナヴィア半島は漁場だし、アラン島も漁師の島だ!
アラン島には羊がいるし・・・
この仮説、かなりイイせんいってない??
どれもこれも勝手な想像に過ぎませんが・・・
世界各地の模様には、それぞれの気候風土が育んだ地域性がある。
初めは誰か一人が思いつき、それが時代を超えて世界中に伝わった・・・
これは間違いないと思う。
ロマンだねー。
古代ゲルマンの遺功に思いを巡らせ、今日も編み物に夢中のtuziです。
(2013年4月記)
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* * * 第39回 * * *
「2005年北京、完全coppy」
春は花粉の季節。
今年は特に風の強い日が多いような気がする。
それは「強い」なんてもんじゃなく、暴風警報が発令されるクラスだ。
今日も風速35mほどの暴風が吹き荒れている。
昨晩などは、家が飛ばされるのではないかと眠れないほどだった・・・
花粉に加えて、中国から飛んでくる黄砂とpm2.5。いずれも有害物質だと世間を賑わしている。
花粉+黄砂。花粉+pm2.5では花粉が爆発して脅威が増すとも・・・
中国の内陸砂漠からの砂嵐はそれはそれは凄まじく、ハンパない。
映画ハムナプトラのような砂嵐が襲ってくるのだから、その砂が日本まで飛んできたって不思議はない。
けれど、pm2.5は事情が違う。明らかに公害だ。人災だ。
自転車、馬、ロバ、ラクダが消えて車が道を占拠するようになった中国。
私が初めて中国に行った頃(1994年)は、まだ空気の悪さは感じなかった。
2度目(1997年)もさほど感じなかった・・・
2000年以降ではなかろうか、徐々に空気の悪さを感じるようになったのは。
北京でテレビの天気予報を見てたら、空気の汚染指数が表示されていた。
「なるほど、どうりで外に一日いると口の中がジャリジャリするし、鼻の中も真っ黒になると思ったよ・・・」
私が一人で中国に行くのは決まって春先であった。
費用が安くなる2月の終わりから3月はじめにかけての滞在。
風も強いから砂ぼこりが舞うんだろうな、と思っていたが、それだけではなかった。
車の排気ガスが息苦しさを増長させていたのだ。
まだ車が多くない朝早くは空気は澄んでいるが、交通量が増加する昼間は渋滞があたりまえ。
中国の人がひとり一台車を持ち始めたらとんでもないことに。
真っ先に解決せねばならないのは、ガソリンの質の向上だ。
ハイオク並の質に改善すれば、今よりはずっとマシになるだろうから・・・。
私が最後に中国に行った時も(2005年)、やはり春先で、まだまだ空気が冷たかった型。
その時に着用したのが、このマフラーと帽子でした。
口にぐるぐる巻きにして、マスクの代わりにして歩いた。
髪の毛もジャリジャリにならないように、耳まですっぽり帽子をかぶった。
元は既製品で、帽子とマフラーお揃いのセットでたったの100円!しかも毛100%!
北京に居る時は気がつかなかったが、日本に帰国したら、真っ黒になっていた。
洗っても毛の隙間に砂やら、ゴミやら詰まってるような気がしてならず、ほどきました!
そしてcoppy=完全復元!
そこまでするかあ?
いやいや、かなり時間かかったじぇ〜。
(2013年4月記)
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* * * 第40回 * * *
「1999年ギリシャ、完全coppy」
アベノミクスかなんか知らんけど、金融緩和策で2年間で270兆円社会に流通・・・
そのことで、世間一般は浮かれてるようですが、なぜ歓迎してるんでしょう?
円安も世間一般は喜んで受け入れてますが、なぜなんでしょう?
私のように海外でこづかいを両替する立場としては、円高の方が嬉しいのですが・・・
ところで、270兆円は、私のところに回って来ますか?
いったい、どうやって?
会社員でもなけりゃ、銀行から借り入れするでもない、私のところにどう回ってくると?
もっと言えば、年金生活者に、どうやったら回ってきますか?
逆に年金引き下げになってるじゃん!
どういうこと?
回っても来ない、物価は上がる・・・だったら、金利上げて欲しいっすよ!
私の生活苦は増す一方じゃありませんか?
だいたい、私も会社員だった頃のなんだっけ・・・?
えっと・・・
あ、そうそう、バブルだ!好景気バブル。
あれってちょうど、若かりし頃経験してるはずなのに、全然よそ事なんですけど!
今と全然変わらない生活だったんですけど!
てか、私のこれまで、好景気だった時期なんて経験してないし!
まあ、今も昔も、景気良くお金使う、ってこともなかったしね・・・
生活スタイルもあんまり変わんない・・・
いつだって貧乏旅行だったし・・・
そりゃ、貧乏旅行といいながらも勝手気ままにいけてた頃はまだマシで。
その気楽な独り暮らしと、今の両親を養わねばならない大変さとは比べものにならない・・・
貧乏旅行と言えば・・・
1999年に訪れた、ギリシャの財政破綻は、深刻なようです。
ギリシャ、という国が身売りせねばならないかもしれない・・・(それは回避されそうですが)
国民も街中で暴動が起こるし。
アテネの街中なんていったらさ、もう古代ギリシャのど真ん中ってことだからね。
テレビに映る光景も、1999年私が歩いたアテネの市街地だったし。
ほどない所に、ゼウス神殿があったり、アテネ大学があったり・・・
見知った街が、メチャメチャになりそうで、なんだか、悲しくなっちゃった。
もう、二度と訪れることもできないのかな、なんて思うとなおさらね・・・
1999年のあの時、旅行社の開設記念で、激安10万以下で行ったギリシャ。
今思うと、あの時行ってよかったな、って思います。
日程はかなり過激でしたけどね。
その時、着てたセーターです。
ギリシャだからって、私も少しはオシャレに決めたつもりです。
靴も、少しヒールのある赤いブーツでした。でも、石畳の道を歩くには、ちょっと辛かったっけ・・・
カワイイ衿が付いていて、肩はヨークになってる。
中に薄手のブラウスを合わせて着るのがお気に入り。私の大好きなセーターです。
だから、ほどきました。
形が崩れてきたので、長く着たいが為です。
そしてcoppy=完全復元!
どうよ?
これぞリメイクの極み!
(2013年4月記)
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