恋のゆくえ

「色気」
The Fabulous Baker Boys 1989年

 監督・脚本 : スティーブ・クローヴス
 製作総指揮 : シドニー・ポラック
 製作 : ポーラ・ワインスタイン/マーク・クローゼンバーグ
 撮影監督 : ミヒャエル・バルハウス
 音楽 : デイブ・グルーシン/美術 : ジェフリー・タウンゼント
 衣装 : リサ・ジェンセン
 出演 : ジェフ・ブリッジス/ミッシェル・ファイファー
      ボー・ブリッジス/ジェニファー・ティリー
      エリオット・リード/エリー・ラーブ

(116分)


ジャック(ジェフ・ブリッジス)とフランク(ボー・ブリッジス)のベイカー兄弟は
“ザ・ファビュラス・ベイカー・ボーイズ”というデュオを組むジャズ・ピアニストである。
弟のジャックは無為にピアノ弾きをこなすだけの毎日。
パッとしない時代遅れのピアノデュオは仕事が減る一方・・・
そこで、女性ヴォーカリストを加え“ベイカー・ボーイズ”を立て直すことに。
オーディションの日、彼らの前に現れたのはスージー(ミシェル・ファイファー)である。
スージーを加えた“ベイカー・ボーイズ”の音楽は観客を魅了し、人気を取り戻す。
そしてジャックとスージーはやがて恋におちていくのだった。
だが、更なる成功を求めてスージーは去ってしまう。
ジャックも自分の弾きたいピアノへの情熱を押さえられず、兄弟さえもばらばらになってしまう。
しかし、自分にとって一番大切な事は何か、本当に大切な人は誰なのかを発見し、
フランクとスージーのもとへ再び向かって行く。


なんかさあ、ストーリーだけを文章にしてしまうと、淡々としすぎて伝わらないんだけど、
とにかく、ジェフ・ブリッジスがカッコいいのよ!
いや、言いたいのはそれだけなんだけどね。
早い話しが、「カッコいいから観てみて!」ってことなのよ。
え?どこが、って?
ふむ、それはさあ・・・
まあ、兄ちゃんという引き立て役があるからかも知れないんだけど。
無口で、媚びなくて、仕事はキッチリこなして・・・

いやいやいや、そういうことじゃないんだな。

冒頭のシーン。
一晩限りの女の部屋。
ナイトショーの衣装に着替えて出て行こうとするジャック。
気がついた女が「See you again?」
女だって一晩限りの男と割り切ってたはず、
そのつもりだったはずが以外にも、また会いたいと思わせる男だった、てこと。
「No」
と、バッサリ切り捨てるジャック。
去るジャックに女が名残惜しそうに言う。
「You are great hand・・・」
ジャックはピアノ弾きだが、そんなこと女は知らない。
どんな指使いしたのさ?
どんなだったのさ?
知りてぇー!
エロいわあ。
ジャックはどの女も突き放したしてきたのだろう。
ニヒル?
違う!
ジゴロ?
違う!
色気よ♪

ホテルのショーで、兄のフランクと“ザ・ファビュラス・ベイカー・ボーイズ”としてピアノを弾く。
兄フランクは家族を養うため、生活のため。
マネージメントの一切は兄フランク任せ、ジャックは要求されたピアノを弾くだけ。
寡黙で、ピアノの腕前は抜群。クールで天才肌のピアニスト。
女性にはモテるし、淡々と仕事をこなし、一見気ままな独身生活を楽しんでいるように見える。
でも本当は同じアパートに住む孤独な女の子以外には誰にも心を開かない。
実はやりたい音楽があるのだけれど、それを隠して意に沿わない音楽を演奏しているジャック。
ジャックの弾きたい音楽のスタイルはホテルでの営業ショーじゃなかった。
意にそぐわないスタイルだが何も言わず兄に従っている弟ジャック。
音楽への情熱が冷めたわけじゃない。
そのギャップに人知れず苦しんでいるのだ。
だが外見あくまでクール。
女に対してもあくまでクール。

そこへ登場したのがスージー。
恋におちたふたり。フランクが留守のホテルでうろたえるシーンがカワイイ。
新年のショーの後でのプレイは見てる側が燃える。
やがてスージがトリオから抜けようかどうかジャックに相談。
本当は引き止めてほしかったのに「代わりはいるさ」「推薦状が欲しいなら書いてやる・・・」
ジャックは冷たく突き放す。
ジャックの言うことは正論で大人発言なんだけど、あんなふうに言われたら私でも堪えるし、涙目になっちゃう。
でも、スージーもジャックに応戦。
「安売りしているうちに空っぽになってしまう」「臆病なだけよ」と、本音をぶつけられ、
ジャックも長年隠していた本当の気持ちの封印が解かれてしまう。
結局、スージーは去り、“ベイカー・ボーイズ”は解散。
ようやく、ジャックは自分に正直になれた。弟の気持ちを自然に受けとめる兄フランク。

そしてケンカ別れしたままのスージーのもとにジャックが現れる。
ちゃんと謝りに来るところが、また好いのよね♪
「May I see you again?」と訊ねたのはジャックの方だった。
スージーは「Do yuo think?」と聞き返す。
この時のジャックの答えはお決まりの`No'ではなかった。
「Ye'h!my intuition」
冒頭のシーンが布石になって、この‘恋のゆくえ’はハッピーエンド。ってことでしょ?


ジェフ・ブリッジスは名前も顔も、アメリカ映画ではチョクチョク観てますので知ってました。
西部劇にもでてるし、最近で印象に残ってるのは、「タッカー」ですね。
フランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスのコンビで映画化された、自動車王の話し。
その主役がジェフ・ブリッジスでした。
その次の記憶は、「シービスケット」です。馬主です。
で、今回テレビ番組で放送された「恋のゆくえ」。
たしか、「タッカー」が1988年で、「シービスケット」が2003年。
で、「恋のゆくえ」が1989年。・・・けっこう古いのね。
「タッカー」の翌年でしょ?何歳よ??



Jeff Bridges
1949年12月4日生まれ

てことは、現在が60歳、還暦じゃん!
1989年は、40歳。
そりゃ、カッコいいはずだわ・・・(ため息)

1977年に結婚。一男二女がいる。
えぇ?77年?んーと。。。28歳ー?!早っ!・・・(ため息)
いい男はすぐ売れる、、ってか。


「恋のゆくえ」で兄弟役のジェフとボー・ブリッジスは似てないけど本物の兄弟。
お父さんは「真昼の決闘」での保安官助手や「タッカー」で渋いわき役を演じた俳優ロイド・ブリッジス。
お母さんは詩人で女優ドロシー・ブリッジスという演劇一家育ち。
 ロイドとドロシーはニューヨークの大学で知り合い、すぐに結婚。
ニューヨークで共に俳優養成学校に通った後、ロサンゼルスに引っ越した。
母ドロシーは、夫ロイドのテレビドラマ「シーハント」(原題)に出演したり、
息子ジェフの映画『いくつもの朝を迎えて』などにも出演。
息子ボーが出演と監督を務めたテレビ映画「サンクスギビング・プロミス」でも、ジェフとロイドと共演している。
今年3月、93歳で亡くなった。

今後のジェフ・ブリッジスは『フィッシャー・キング』のテリー・ギリアム監督と
『タイドランド』(原題)で再び手を組むことが決まっている。
この作品はミッチ・カリンの同名小説の映画化で、12歳の少女が厳しい現実から逃れ
ファンタジーの世界に旅立つ「ふしぎの国のアリス」のようなファンタジー・アドベンチャー。
他には、アマチュア映画監督を主人公にした映画『ザ・モグルズ』(原題)で主演を務めることになっている。
監督は、本作が初監督となる脚本家マイケル・トレイガー。
と還暦を迎えて精力的に活動している。
でも、ファンタジー・アドベンチャーだの、アマチュア映画監督の役だのはどうなの?
これまで「タッカー」「恋のゆくえ」「シービスケット」ような渋いジェフ・ブリッジスに慣れてる私としては、
今後の彼が観たいような観たくないような・・・

ま、それはそれとして、「恋のゆくえ」のジェフ・ブリッジスは渋く、カッコいい。
(ちょっとウィリアム・ハートが入ってなくもないが)
同じアパートの女の子との絡みもいい。
犬との絡みもいい。
そうそう、わりと忘れられない印象を残すのはジェニファー・ティリー。
オーデションに来て奇天烈な歌を歌い、最後の方でウエイトレス役で、またちらっと出てくるモニカ・モラン役。
このちょっと罪な絡みもいい。
あと、アパートがいい。
あんな部屋に住みたい。


ミシェル・ファイファーは『ラブ・フィールド』と『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』で
2度のアカデミー主演女優賞にノミネートされている。
 映画の中では「More Than You Know」「Feelings」
「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」などを歌い、
エンド・ロールでは「My Funny Valentine」も聴くことができます。(私的にはチェット・ベイカーがベストかと)
ミシェル・ファイファーが吹き替えなしで歌っているそうです。
こういうの聞くと、映画「シカゴ」もそうですが、アメリカのエンターティメントの層の厚さを感じます。
やっぱハリウッドで芽が出てくる人は違うんですね。
「恋のゆくえ」は彼女30歳の頃。
女30歳、そりゃ黙ってても色気が漏れだしますよ・・・
てか、私はこの映画で彼女に色気は感じませんでしたけどね。
それよか目の下の隈が気になってた。




だからー、
ジェフ・ブリッジスをみて下さいまし。
私はこれまでロン毛男は論外だったけど、Great handに免じ今回に限り例外で許す!

この映画、男の色気の映画です。

こんなふうに言い切っちゃうのは私がだからでしょうか???


(2009年9月記)