英雄

「志を託す」
英雄 2002年 中国=香港

 監督/脚本 : 張芸謀/チャン・イーモウ
 衣装 : 和田 恵美
 出演 : 李連杰/ジェット・リー
       梁朝偉/トニー・レオン
       張曼玉/マギー・チャン
       韋子怡/チャン・ツイイー


(101分)
・残剣      ・飛雪      ・無名     ・残剣を慕う女   ・長空


張芸謀監督が始皇帝暗殺を題材に作り上げた映画。史実ではない。
三人の刺客を抹殺した証となる剣を一本さしだすごとに始皇帝に近づいていける。

三人の刺客をし止めて見事に3本の剣を手にした無名(ジェット・リー)と名乗る男は
ついに始皇帝まで十歩の所まで近づいた。
果たして、無名は始皇帝の見方か?はたまた4人目の刺客か?


私はこの映画を香港から買ってきたVCD(中国語字幕)で見た。
張芸謀は名監督だし、ジェット・リーが久々中国映画に戻ってきたとあっては「買いでしょ!」

話しは無名が始皇帝に「三人の刺客をどうやって倒したか?」を話して聴かせる回想で進む。
ひとりめは槍の名手、長空の話し・・・
そして、飛雪(マギー・チャン)と残剣(トニー・レオン)の話しへと・・・
映像はで統一。

 
チャン・ツイイー              マギー・チャン


刺客抹殺の様子を話し終えた無名(ジェット・リー)に始皇帝が言った。

「長空の話しは本当だが、飛雪と残剣の話しは嘘だ」

話しの嘘を見破られた無名はふたつめの話しを始める。
映像はで統一。


トニー・レオン


「飛雪の話しは本当だが、残剣の話しは嘘だ!
なぜなら私は3年前に残剣に殺されかけた。お前の話しのように簡単に殺される奴ではない・・・」

またしても無名の嘘を見破る始皇帝。

3年前、飛雪と残剣は始皇帝を追い詰めた。
飛雪が護衛を止めている間、残剣は始皇帝に刃を向けた。
殺せたはずだった!
なのに、始皇帝と相対した残剣は殺さずに立ち去った。

なぜか?

それが、この映画のカギとなる・・・。

トニー・レオンがカッコよすぎます!

自分の剣が奪われるということは、死を意味する。
無名に剣(命)をくれてやり、自分の志を二文字に託した。

その二文字とは?

真相が語られる映像はで統一。

この映画はラブストーリーでもある。
飛雪と残剣。そこに残剣を慕うチャン・ツイイーがからむ。
刺客になる前の飛雪と残剣の回想映像はで統一。



湖に浮かぶあずまやでの無名と残剣の戦いシーンは最も感動的だ。
戦いの途中で飛雪の一粒の涙を拭きにいった残剣を無名は斬ることができない・・・

飛雪にわざと刺される直前にフッと残剣が見せる笑み・・・悲しく美しいシーンだ。
「いっしょに私たちの家に帰りましょう・・・」
飛雪がそう言って後を追う。

「人不離人」


2000年以降「初恋の来た道」「英雄」では回想が軸にストーリーが展開する。
「初恋の来た道」では回想シーンがカラー、現在をモノクロで描きわけている。
「英雄」では偽りの証言を行きつ戻りつ衝撃の真相が明らかになる・・・
これを私は回想美張芸謀第三期と呼んでいる。

「英雄」ではの衣装で完全に区分けしている。
それを無名と始皇帝のでしめているのだ。衣装は和田恵美。


長空、飛雪、残剣を犠牲にして無名は始皇帝まで十歩前まで近づいた。

「人不離人 剣不離剣」

残剣が始皇帝を斬らずに生かした訳!残剣の志。
それを表す二文字は・・・

天下

この戦乱の世を終わらせたい・・・
平和な世に生きたい・・・

天下が治まって、統一されれば戦乱の世が終わる。
残剣は始皇帝こそ、その人だと思ったのだ。だから殺せたのに殺さなかった。
自分の国を滅ぼされた恨みはあったが、平和に導く人として始皇帝を生かしたのだ。

この残剣の思いを知った無名は果たして、始皇帝が斬れるだろうか・・・



題名の「英雄」は無名のことではなくて、始皇帝の事だったのではなかろうか・・・


(2003年4月記)





ジェット・リーのハスキーボイスと渋さ、トニー・レオンの憎いまでのかっこよさ・・・
死ぬ最後までカッコいいんだぜっ、まったく・・・
やっぱ、中国最高でしょ!

最近、テレビ放送で「ロミオ・マスト・ダイ」を見た。
ジェット・リーは元中国武術チャンピオンだ。
1963年生まれだから今年40歳だが、鍛えている人は体がちがう・・・
彼のカンフーは現役で本物だった。