月の輝く夜に

「イタリア人気質」
MOONSTRUCK 1987年

 監督 : ノーマン・ジェイソン
 脚本 : ジョン・パトリック・シャンレイ
 出演 : シェール
       ニコラス・ケイジ
       ビンセント・ガーディニア
       オリンピア・デュカキス
 ゴールデングローブ賞
 アカデミー賞
 主演女優賞(シェール)
 助演女優賞(オリンピア・デュカキス)
 オリジナル脚本賞
 1988年ベルリン映画祭 銀熊賞
(107分)


ニューヨーク・ブルックリンのイタリア系一家。
夫と死別したロレッタ(シェール)に幼友達のジョニーがプロポーズ。
心休まることを望んでいたロレッタはあっさりオーケー!
ジョニーは故郷シチリアの母親が危篤と聞いてイタリアへ一時帰国。
ジョニーの留守中、ニューヨークに住むジョ二ーの弟ロ二ーに、自分達の結婚式への出席依頼に出かけるロレッタ。
ジョ二ーと弟のロ二ーは絶交状態だった。
ロ二ーはパンの切断機で片手を失い、恋人にも逃げられてしまった。
不運な自分を嘆くロ二ーをロレッタは慰める。
ロレッタは前の旦那を交通事故で亡くしていた・・・。

情熱的な弟に惹かれたロレッタは、フィアンセがいながらその弟とベッドを共にしてしまった。

人の心を惑わすといわれる満月の夜に起こったイタリア人一家のあれこれを、
洒落た笑いに包んでユーモラスに描いた傑作。


ロ二ーと二度と会わないと誓ったロレッタだったが
「君とオペラにいけたら」というロ二ーの願いを聞いて、最後のデートの準備をする。

7年前に夫を亡くし、以来独身だったロレッタ。
髪には白髪が目立っていたが染めるでもなかった。
不覚にも若くて情熱的なロ二ーに恋してしまったロレッタがオロオロ懺悔に行くあたりは
いかにもイタリアっぽい。
それでもラスト・デートのために美容院(店名がシンデレラ(笑))で「カラーを」と言うあたりも
ちゃめっ気があってさばけていていかにもイタリアっぽい。
「この日を待ってたのよ!」と美容師たちがいっせいに喜ぶ。
私の大好きなシーンである。
なぜなら他人事ではないから・・・
(私の白髪はいまや深刻な事態に陥っている・・・)

母親のローズ(オリンピア・デュカキス)はいつもさめた目で家族を見ている毒舌家なのに
人知れず夫の浮気に心を傷めている。
満月の夜、ローズにもロマンスの予感。だが、彼女は決して誘惑に負けない。
何があっても一番に家族を愛するイタリア・マンマなのである。
そして、「浮気はやめて」と涙をこらえて夫に訴えるかわいい女なのである。




お金はうなるほどあって浮気もしてるお父さんは、
娘の結婚を渋っていて、結婚式のお金は出さないとダダをこねている。
そこへ普段は5匹の犬だけが友だちの一家でも影の薄いおじいちゃんが
「一人娘の結婚式を挙げてやれ!」
と息子(ロレッタのお父さん)を一喝するところはこれまたビバ・イタリア!
普段どんなに影が薄かろうが、年長者の言うことは絶対なのがビバ・イタリア!

どんな波乱も満月のように丸く収めて人生を楽しむ。
イタリア人の血のなせる業なのだと思う。

見終わって心があっつくなる1本だ・・・Bravo!

あっ、そうそう・・・
プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」もお聴き逃しなく!
オペラはイタリア・オペラに限るぜ、ベイビー!


(2003年7月記)