シービスケット

「ささいなことさ・・・」
SEABISCUIT 2003年

 製作/監督/脚色 : ゲイリー・ロス
 原作 : ローラ・ヒレンブラント
 出演 : トビー・マグワイア
       ジェフ・ブリッジス
       クリス・クーパー
       エリザベス・バンクス
       ゲイリー・スティーブンス

(141分)
米アカデミー賞 作品賞


物語は競走馬シービスケットをめぐる3人の男の人間模様。
舞台は1930年代のアメリカ、サンフランシスコ。
「事実は小説より奇なり」の言葉どおり実話に基づいている。
時代は大恐慌の真っ只中。

大恐慌のあおりを受けて一家離散に見舞われた天涯孤独の騎手‘レッド’
巨万の富を手に入れながら愛する家族を失った西部の自動車王‘ハワード’
近代化によって故郷をなくし、生きる場を奪われた孤独のカーボーイ‘スミス’
ひどい扱いのため精神を病み埋もれてしまった天才馬‘シービスケット’
4人の男たち(3人と1頭)に共通しているのは挫折を味わっているということ。
並みの挫折ではない。
レッドは再起不能と宣告されるまでの怪我をおいながらもその人生に立ち向かう。
ハワードは悲しみの大きさに立ち直れないでいる。
スミスも生きる場をなくし、放浪するしかない。
そんな男達を‘シービスケット’という葬られた一頭の馬が結ぶ。

436万部を超えるベストセラーとなったローラ・ヒレンブラントのノンフィクション
「あるアメリカ競走馬の伝説」の映画化である。


(ソニー・マガジンズ出版)


原作本どおりの映画ではないが、登場人物も実在し、大きなくいちがいなどは見られない。
映画のテーマは「人生のなかでの挫折や失敗などはささいなこと」と語っているように私は感じた。

・・・怪我したぐらいで殺すことはない。治せるんだから。
・・・構わない。そんなこと構わないさ。
・・・乗せてあげて。だからって命を落とすわけじゃないわ。

このような支えあいが大きな感動をよぶ・・・


私は競馬も知らないし、馬のこともほとんど知らない。
映画を見てから馬の事にも興味を持ち、原作本のほかにもう一冊
偶然書店で見つけた「馬と話す男」モンティ・ロバーツ著を読んだ。


(徳間書店出版)


原作本では、競馬の騎手の待遇の低さを知った。
当時の騎手は使い捨て同様で、貧困からアルコールに頼り、果ては廃人になる者が多く、
また過酷な騎乗スタイルから体を壊したり、落馬による事故も頻繁に起きていた。
現在のようなスタートゲートはなく、ロープによるスタートだったため連鎖事故も多かった。
しかし、組合もなく騎手は個人の売込みだったため、バクチ人生の日々を送っていた・・・
というのが当時の競馬界の現状だった。

「馬と話す男」では馬の調教の事を知ることが出来た。
著者モンティ・ロバーツの半生を著した自伝本である。
彼は1935年ロデオ競技場に生まれた。
幼い頃から馬と触れあう環境にあり、数々の競技大会で優勝する。
当時の馬の調教はロープや鉄鎖で打ち据え、馬を拷問に据える方法が一般的だった。
やがて彼は「馬語」を習得し(野生馬の観察、先住民インディアンの教えや方法などから)、
鞭もロープも使わずに数分で調教することに成功する。
だが、インチキ呼ばわれされ、周囲からは理解されない・・・
「人生に大切なことはすべて馬たちから学んだ」と言う彼。
私にとっては馬の調教などはまったく知らなかった世界であり、驚きと馬たちへの愛情に満ちた感動の一冊だった。

ところで、映画「シービスケット」である。
シービスケットも時代的にみてそんな冷酷な拷問による調教を受け心を病んだ馬である。
馬は本来走りたいという本能的欲求がある。
それを阻むのは人間に他ならないのだ。
「走りたい」と思わせること。その欲求を促して才能を伸ばすこと。助けてやること。これが人間だ。
馬と人間が気持ちよく共存していくのに、鞭はいらない。
押さえつけてはいけない。痛みを与えてはならない・・・

大事なのはお互いの信頼と正しい愛情。
人間と同じでしょ。


(ハワード本人と実際のシービスケット)
シービスケットは150cm足らずの競走馬としては小柄すぎる馬だった


この映画を見た後は競馬中継をみる目が変わります!(笑)


私はトビー・マグワイアが大好きです。
「シービスケット」も彼が主役だから映画館に行ったようなものです。
トビーとの出会いは「サイダーハウス・ルール」(99年)でした。
なんだか憎めないキャラしてるんです。若いのに実力派俳優の貫禄を漂わせているんです。
「ワンダー・ボーイズ」(00年)でマイケル・ダグラスと共演し、
才能溢れる新進作家を演じその多彩さをみせつけた・・・
どんな役も変幻自在にこなしてしまう‘カメレオン’役者かと思っていたところ

スパイダーマンだって??
「なんでや?実力演技派俳優のトビーが、なんでまたスパイダーマンだなんて・・・(呆)」
アホらしいのと、‘落ちた’トビーなんか見たくないのと、相手役の女が気に入らないのと・・・で、
(サイダーハウス・ルールの相手役も気に入らなかったが!)
どうしても観る気になれなかった。
だってさ、「スパイダーマン」ってコミックマンガだよ?
これから、舞台もできて、若くしてアカデミー賞受賞できるだけの実力がありながら、なして「スパイダーマン」て・・・
ちっとは仕事選べっ!つーの。
こんなですからレンタルDVDになろうとも見向きもしてなかったんです。
そんな時、私がトビーのファンと知ったいとこが気を利かしてレンタルしてきたのでした。
(自分が見たかっただけで、私はお下がりだったんですけど!)
「せっかくだから・・・」と気乗りせずに渋々見たのです・・・

ガーン!
カッコいい〜〜
っもう、トビーったらぁ!
やっぱり相手役の女はチンチクリンで気に入らないけど、トビーに色気を感じちゃいました♪
ステキ〜〜
こんな彼氏がいたら、私のクモ嫌いも一発で治るでしょう。
トビーに惚れ直したtuzi・・・

今一番見たい映画はもちろん「スパーダーマン2」で〜す♪


1975年カリフォルニア生まれ


(2004年11月記)