パルプ・フィクション

「バイオレンスクレイジー」
PULP FICTION 1994年

 監督/原案/脚本 : クエンティン・タランティーノ
 原案 : ロジャー・エイバリー
 音楽 : カリン・ラットマン
 出演 : ブルース・ウィリス / ジョン・トラボルタ / サミュエル・L・ジャクソン
  ユマ・サーマン / ティム・ロス、クリストファー・ウォーケン / ハーヴェイ・カイテル
  アマンダ・プラマー / ロザンナ・アークエット / ビング・ライムス

(155分)
 アカデミーオリジナル脚本賞
 カンヌ映画祭パルム・ドール大賞


「レザボアドッグス」で注目を集めたクエンティン・タランティーノ監督第2作。

あるギャングの一味とその周辺の人々のエピソードを、それぞれが交錯するように絡めながら展開していく独特の構成。

ボクシングの八百長試合を請け負いながら裏切った男・・・(ブルース・ウィリス)
車の中でピストルの暴発から人を殺してしまい、血の海になった車を処分するのに
右往左往する男たち・・・(ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン)

どのエピソードもセリフのユーモアと予測もつかないアホな行動の連続・・・
キャスティングの豪華さにも舌を巻く!


この映画に教訓めいたものはない。
果てしないハイテンションでクレイジーな世界が展開するだけ。

会話からしてアホや。
「まともな仕事につくわけ?」
「来世ではな」




ボスの妻(ユマ・サーマン)と一晩だけお供を命じられたギャング(ジョン・トラボルタ)がクラブでデート。
彼女はヤクのやりすぎで心臓停止・・・




マフィアのボスから八百長試合を持ちかけられたボクサー(ブルース・ウィリス)が恋人との甘い生活を夢見て、八百長破ろを敢行。
逃走をはかるが、父の形見の時計を置き忘れたことに気づき戻って・・・




騙し取られたスーツケースを取り戻しに行ったふたりのギャング(J・トラボルタ、S・L・ジャクソン)
ケースは無事だったが、もうひとりの仲間を殺してしまう。
死体処理に困ったふたりは、嫌がる友人宅で助けを呼ぶが、やってきたのは
やたらに怖い凄腕の‘掃除屋’(ハーヴェイ・カイテル)だった・・・

終いには神に目覚めるギャング・・・




‘キレ’まくっている!
クラブ・・・ドラッグ・・・衝動殺人・・・変質狂・・・

アップテンポでクレージーな会話がつづく!
でもってそれが、バシバシきまる!


キャスティングの豪華さも見逃せない。よくもまあ、これほどのはまり役を集めたもんだ・・・

S・L・ジャクソンが無表情に引き金を引く・・・
ダンス・コンテストでJ・トラボルタが踊る・・・
胸に注射器を突き立てられユマ・サーマンが飛び起きる・・・
クリストファー・ウォーケンがしゃべり続ける・・・
ハーヴェイ・カイテルがコーヒーをすする・・・
ブルース・ウィリスが日本刀を振りかざす・・・
マリア・デ・メディロスが半ベソをかく・・・

これまでにあっただろうか、これほどのバイオレンス!
クエンティン・タランティーノの狂気!


クエンティン・タランティーノ、1963年生まれ。
彼が最初に書き上げた脚本は「トゥルー・ロマンス」だった。
続いてすぐ「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を書き上げた。
1990年、彼はモノクロ16ミリで「レザボア・ドッグス」を自主制作しようと準備していた。
それがディレクターの目にとまり35ミリ劇場映画として製作された。
「レザボア・ドッグス」(1991年)完成後、噂は噂を呼びタランティーノセンセーションを巻き起こした。
やがて、「トゥルー・ロマンス」(1993年)がト二ー・スコット監督の手で、
「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(1994年)がオリバー・ストーンの手で映画化された。
(両脚本が売られていたため)

彼の一言・・
「全ての人が好む映画を作っているわけではなく、特定の人が好むような映画作りをしているんだ」


クエンティン・タランティーノ監督


そりゃ、そうよ!
あなたのクレージーバイオレンスについていける人は
そうそういないもの!bytuzi


(2003年5月記)





ちなみに「トゥルー・ロマンス」のほうがはるかに暴力的だった・・・
年を経るごとにおとなしくなっていくクエンティン・タランティーノ・・・
1997年「ジャッキー・ブラウン」ではすっかり落ち着いてしまって、一抹の寂しさもある私です。
サミュエル・L・ジャクソンは「ジャッキー・ブラウン」でベルリン映画祭主演男優賞を得た。